ギャラリー解説

石材

肇慶古端渓石宋坑挿手硯

縦20.6cm、横10.2cm、厚さ1.7cm

無紋の古硯で、太史硯より足の低い挿手硯である。一

見無造作な作りの様に見えるが、持ちやすくする為に、

中央部分の側縁が微妙に凹んでおり、また背面の足も

下部ほど広くする等、古硯の風情が感じられる。端州を

産地とする端渓石は、硯石として唐代から知られており

、宋代から量産され、石色は紫を基調とし、歙州石と並

んで、硯石の双璧をなしている。端渓の坑としては、老

坑水巖・坑仔巖坑・麻子坑・宋坑・梅花坑(沙浦典水村)

等が有名で、他には穀[・古塔巖・宣徳巖・朝天巖・白

線巖等が有るが、現在では採石されておらず、今では

殆どが沙浦坑の石を加工したものである。

本品は、宋坑の古端渓石硯である。


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