ギャラリー解説

石材

本渓橋頭紫石長方板硯

縦16.5cm、横11cm、厚さ2cm

遼寧省本渓の橋頭鎮で産出する石で、所謂遼

硯と称するものである。遼硯は伝統的に線彫り

を特徴とするが、現在では透かし彫りや立体彫

りも行われている。橋頭鎮石は、其の色調が多

様で、灰色・緑色・紫色・黄色等である。

本品は、紫色と灰色の二層の色調で、上部に海

を設けただけの板硯で、硯面は紫色で背面は灰

色である。

吉林省の松花江石と遼寧省の橋頭石とは、共に

本渓産出の石ではあるが、吉林の方は横縞の

緑色を基本とし、遼寧の方は、緑色と紫色或は

緑色と黄色とが混じり合っている。共に清朝以来

の硯石ではあるが、色調の相違から松花江石

の方を上に見る傾向が強い。


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