ギャラリー解説

石材

古白玉三羊文子岡款方形珮(清朝時代)

縦6.4cm、横4.4cm、厚さ0.5cm

表に吉祥の三羊紋様が、裏には詩文が

刻された、清朝の代表的な形態の珮で

ある。尚、本品は「子岡款」作品である。

子岡とは、明代の嘉靖から万暦年間に

かけて活躍した玉の琢彫職人で、名工

の名を世に喧伝された蘇州の陸子岡の

ことで、彼は、上質の和田玉しか扱わず

、皇帝用器も琢彫したと言われているが

、その技は、後世に伝えられること無く、

彼一代で終わっている。その為、名声だ

けが広く流伝し、以後陸続として彼の写

しが作られ、大半は方形牌が主流で、現

在でも「子岡款」牌が作られている。現存

する「子岡」作品は、その殆どが中国や

台湾の博物館に所蔵され、万一にも本

歌「子岡」作品が市場に登場すると、そ

の値段は目が飛び出る程である。彼の

落款は、「子岡」と「子剛」と「子剛制」の

三種類が有り、文字は、正字の篆書・隷

書・楷書・行書・草書と多種多様であるが

、共通しているのは、一面が吉祥紋で一

面が詩文句であり、共に浮彫紋様と言う

ことである。(尚、写しの品は「子岡款」作

品と称し、「款」の一字を入れることで、

本歌の「子岡」作品と区別している。また

「岡」が略字で書かれるのは、現代もの

である)


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