史書の面白み

本ページは、勉誠社刊『隋書』特集監修者インタビュー(平成29年5月刊行)からの転載である。

史書の面白み

 史書の面白みは、その文面の中に時代や人々の営為が、縦横に提示されている点です。

 この世の中で「人」ほど面白い存在は有りません。「人」の行動は、必ずしも一貫性が有るとは限りません。「人」の行動は、理性・情念・我欲・地位・金銭・利害・権力・人間関係・時代状況等々、その「人」を取り巻く諸々の条件に左右されます。

 「人」の苦悩・呻吟・決断等、将に「人」の営為そのものが提示されているのが、史書であると思います。故に、史書を読めば、読者自身の生き方が、合わせ鏡にように見られる点こそが、「史書の面白み」であると、言えるでしょう。

     平成二十九年五月                             於黄虎洞

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