圖書館所蔵貴重書與稀覯本

【貴重書與稀覯本

茲では、大東大圖書館が所蔵する、令和元年時點での貴重書(明版・明拓・江戸初期の和刻本)及び稀覯本(清版及び朝鮮本)等に關する漢籍(佛典・國書を含む)に就いて、簡單な紹介を致します。

【尚、◎付きの書籍は、既にデジタルアーカイブス化されて、ネットで自由に閲覧出來、亦、他の文獻も今後陸續として随時デジタル化される豫定です】

 先の戰禍で戰前所蔵版本の殆どを焼失した爲、流石に宋・元版(零葉は有る)は有りませんが、其れでも一應明版(本學での貴重書)は、明代末期(1573〜1644)を中心に元刊明修本から明末清初本まで、

『陶靖節集』(北宋・卷葉不明、天地單辺左右雙辺、黒格、9行15字雙注、上下白口、無魚尾)

『天原發徴』(南宋・3卷23葉天地單辺左右雙辺、黒格、7行22字雙注、白紙本、上下白口、雙黒魚尾)

『陸宣公集』(南宋・卷葉不明、天地單辺左右雙辺、黒格、12行19字、白紙本、上下白口、單黒魚尾)

『周禮注』(南宋・4卷30葉、四周雙辺、黒格、8行9字雙注、岳珂白紙本、上下線口、雙黒魚尾、有耳)

『詩地理攷』(南宋・4卷12葉、天地單辺左右雙辺、黒格、10行20字雙注、上下白口、單黒魚尾、上象・字數)

『説文解字』(元・6卷7葉、覆宋、四周單辺、無格、10行雙注、小字本、上下白口、單黒魚尾)

『通鑑續編』(元・3卷15葉、天地單辺左右雙辺、黒格、9行22字雙注、上下線口、單黒魚尾)

『國朝(元)文類』(元・4卷51葉、四周雙辺、黒格、13行24字、上下粗黒口、雙黒魚尾)

『比丘避女悪名欲自殺經』(元・7卷3葉、天地單辺、17字、經典斷簡)

『歴代史書大全』(明・2卷1葉、四周單辺、黒格、11行23字、萬暦木活字本、上下白口、單黒魚尾、上象・比周史書大全)

『睡庵詩稿』(明・1卷16葉、四周單辺、黒格、9行18字、萬暦本、上下白口、單黒魚尾、上象・睡庵詩稿)

等十一種の宋・元・明版零葉(杉村勇造先生寄贈)や、

『毛詩注疏』(崇禎3、汲古閣本)、『韓詩外傳』(嘉靖18)、『尚書注疏』(崇禎5、汲古閣本)、『禹貢古今合註』(萬暦年間)、『禮記注疏』(嘉靖年間、李元陽本)、『周禮注疏』(崇禎1、汲古閣本)『新刻翰林彙選周禮三註』(萬暦24)、『周禮註疏刪翼』(崇禎12)、『三禮編繹』(萬暦33)、『重訂批點春秋左傳詳節句解』(崇禎11)、『五經大全』(萬暦33)、『四書集注大全』(萬暦36)、『四書大全』(萬暦年間)、『大方性理全書』(萬暦年間)、『近聖居三刻參補四書燃犀解』(明末)、『字彙』(明後期)、『經子難字』(萬暦32)、『新増説文韻府群玉』(萬暦18)、『洪武正韻』(明後期)、『韻學集成』(萬暦6)、『廣韻藻』(崇禎15)、『音韻正訛』(崇禎17)、『重校經史海篇直音』(萬暦年間)、『史記索隱』(明末)、『漢書評林』(萬暦3)、『後漢書』(嘉靖28、福建按察司本)、『後漢書』(崇禎16、汲古閣本)、『晉書』(崇禎1、汲古閣本)、『南齊書』(崇禎10、汲古閣本)、『梁書』(崇禎6、汲古閣本)、『陳書』(崇禎4、汲古閣本)、『周書』(崇禎5、汲古閣本)、『宋史』(萬暦27、北監本)、『十七史』(明末清初、汲古閣本)、『漢制攷』(崇禎年間、津逮秘書本)、『二十一史論賛』(崇禎10)、『綱鑑要編』(萬暦45)、『三輔黄圖』(萬暦13)、『水經注』(嘉靖13)、『宋名臣言行録』(崇禎1)、『泊如齋重修宣和博古圖録』(萬暦16)、『韓非子』(萬暦10、趙用賢本)、『新序』(萬暦年間、漢魏叢書本)、『堯山堂外紀』(萬暦34)、『寶顔堂訂正康湘素雜記』(萬暦年間)、『隋唐嘉話』(明後期、續百川學海本)、『冷齋夜話』(崇禎年間)、『勸戒圖説』(萬暦22)、『刻捜神全傳』(萬暦年間)、『山中一夕話・新山中一夕話集』(萬暦年間)、『古今諺・古今風謡』(嘉靖22)、『太平廣記』(萬暦年間)、『博物典彙』(崇禎8)、『四六類編』(崇禎13)、『古今名家詩學會海大成』(萬暦26)、『楚辭集註』(萬暦年間)、『楚辭箋注』(萬暦14)、『楚辭疏』(萬暦年間)、『古樂苑』(嘉靖年間)、『六臣註文選』(明後期)、『文選刪註』(萬暦年間)、『文選纂註評林』(萬暦8)、『文選章句』(萬暦25)、『文選補遺』(元刊明修、茶陵東山書院本)、『陶淵明文集』(崇禎年間、汲古閣本)、『唐十二家詩』(嘉靖31、張遜業東壁圖書府本)、『唐詩品彙・唐詩拾遺』(明末清初)、『分類補註李太白詩』(嘉靖25)、『韓文公文抄』(嘉靖〜萬暦年間)、『静觀室韓文選』(萬暦8)、『皇朝文鑑』(元刊明修)、『東坡先生詩集注』(萬暦年間)、『蘇文忠公全集』(天啓年間)、『王文成公全書』(隆慶6)、『李崆峒先生詩集』(萬暦年間)、『醒世恒言』(明末)、『尊生八牋』(萬暦19)、『全像通俗演義隋煬帝艶史』(明後期)、『楊家府世代忠勇演義志傳』(萬暦34)、『新編目連求母勸善戯文』(萬暦年間)、『牡丹亭還魂記』(萬暦26)、『玉茗堂傳奇』(明後期)、『玉茗堂四夢』(萬暦〜崇禎年間)、『清暉閣批點玉茗堂還魂記』(天啓3)、『湯海若問棘郵草』(崇禎年間)、『六十種曲』(明末、汲古閣本)、『百川學海』(明後期)、『續百川學海』(明後期)、『稗海』(萬暦年間)、『廣漢魏叢書』(明末、何允中本)

等々、九十種(『稗海』『續百川學海』『漢魏叢書』『津逮秘書』等、明代叢書本を含む)以上の明版が有ります。

 或いは、別置き個人文庫の各蔵書中にも、

『二程全書』(萬暦年間)、『朱子語類』(萬暦32)、史管見』明末)、『決科古今源流至論』(萬暦18)、『帝京景物略』(崇禎8)、『蘇長公外紀』(萬暦年間)、『東軒筆録』(萬暦年間)、『陳眉公訂正臥游録』萬暦年間)、顔堂訂正谿山餘話』(萬暦年間)、『夢溪筆談』(崇禎4)、『孫公談圃』(萬暦年間)、『閑闢録』嘉靖年間)、『揮塵録』(明末、汲古閣本)、『忠義集』(明末)、『貴耳集』(崇禎15津逮秘書本)、『鴻苞集』(萬暦38)、『昌黎先生集』萬暦年間)、『和靖尹先生文集』(嘉靖9)、『司馬太師温國文正公家集』(萬暦15)、『臨川王介甫先生文集』(萬暦40)、『陸放翁全集』(明末清初)、『一得録』(明末清初)、『焦太史彙選中原文献子集』(明後期)、『宋鄭所南先生心史』(崇禎12)、『玉海』(明後期清初補刊)・・以上【寒泉文庫】

『五經大全(萬暦33)、『春秋公羊傳註疏』(崇禎7汲古閣本)、春秋穀梁傳註疏』(崇禎8汲古閣本)、『性理奥』(天啓6)、『四六法海』(天啓7)、『卓氏藻林』(萬暦9)、(多+邑)菴訂定譚子詩(萬暦年間)、『古詩紀』(萬暦14)『唐詩解』(萬暦43)、『唐詩品彙』明末清初、張恂重訂本)、『袁中郎全集』(崇禎2)、『皇明詩選』(明・・以上【前川蔵書】

十三經註疏(明末)、五雅天啓6)、宋書(萬暦26北監本)、梁書(萬暦33北監本)、陳書(萬暦16監本)、隋書(崇禎8汲古閣本)、春秋繁露天啓5)、顔氏家訓(萬暦20廣漢魏叢書本)、『文心雕龍(萬暦10、兩京遺編本)、劉子文心雕龍萬暦40五色套印本)、文心雕龍萬暦年間)、楊升先生批點文心雕龍啓2、二種)『楊升菴先生批點文心雕龍明後期、二種)、王文成公全書(語録のみ)(骭c6)、楚辭(萬暦14)、楚辭集註(成化11)・・以上【戸田蔵書】

『荀子』(明、六子全書之一か)、『老子解』(萬暦18)、『米書方圓庵記』(明拓)、『顔魯公八關報徳記』(明拓)、春』(明拓)、『孔子廟堂碑』(明拓)、『大唐中興頌』(明拓)『道因法師碑』(明拓)、『白石神君碑』(明拓)以上【高島蔵書】

『王氏書苑』(萬暦年間)、『四聲猿』(明後期)、『大唐西京千福寺多寶佛塔感碑文』(明拓)・・以上【杉村文庫】

『字彙』(萬暦43)・・以上【原田蔵書】

等々六十種の明版・八種の明拓が有ります。

 更に言えば、明末(1644年)以後の清版とは雖も、例えば、

『情史類略』(明、・・外史撰、清初刊、東溪堂藏本・元茂堂藏本)

『玉堂校傳如崗陳先生二經(老荘合刻)精解全編』(明、陳懿典撰、燕詒堂版、康熈34年本)

『白香山詩集』(清、汪立名編、一隅草堂版、康熈42年序刊、原刻初印本)

『訂譌雑録』(清、胡鳴玉撰、康熈58年序刊本)

『楚辭達』(清、荔扉氏校刊、乾隆31年序刊本)

『麟臺故事』(宋、程倶撰、乾隆41年刊武英殿聚珍版、原刊套印木活字本)

『覚世名言』(清、李漁撰、乾隆55年刊文寶堂本)

『紫陽文公先生年譜(四卷本)(宋、李方子撰、清中期・・【寒泉蔵書】

『朱程問答』(明、程資輯、嘉慶13年刊・・【寒泉蔵書】

『柳河東詩集』(清、汪立名編、康熈34年刊、唐四家詩之一)・・【前川蔵書】

等々は、流傳が極めて少なく稀覯本と言えるでしょう。東溪堂本『情史』は一橋大圖書館と酒田市立圖書館に、元茂堂本は國會圖書館に、『玉堂・・』は、『四庫全書』や無求備齋の『老子集成』の未収書であり、國内では椙山女子大圖書館に、『訂譌・・』は京大圖書館に、『白香・・』は結構有りますが、原刻初印本は殆ど見かけません。『麟臺・・』は静嘉堂文庫と公文書館に、『覚世・・』は京産大圖書館に、『柳河・・』は東大・神戸大・京大人文研図書館と宮内庁書陵部に各々其の存在を確認し得るのみで、『楚辭達』『四卷本紫陽』『朱程問答』に至っては、國内では確認し難い本です。)

 亦た、朝鮮半島で刻版された、目に優しく美しい花魚尾の、所謂「朝鮮本(大概大型版)としては、

『心經附註』(朝鮮、明宗21年・明、嘉靖45年、銅活字本)

『聖學輯要』(朝鮮、宣祖8年・明、萬暦3年、銅活字本)

『心經發揮』(朝鮮、宣祖36年・明、萬暦31年、銅活字本)

『慕齋先生集』(朝鮮中期・清、前半頃、木活字本)

『成侍中孝行録』(朝鮮、孝宗〜顯宗年間・清、初期頃)

『山谷詩集』(朝鮮、英宗年間・清、前半頃)

『退陶先生言行通録』(朝鮮、純祖〜哲宗年間・清、中期頃)

『朱書要類』(朝鮮、仁宗20年・明、崇禎15年)・・【寒泉文庫】

『程書分類』(朝鮮、肅宗年・清、康熈47・・【寒泉文庫】

等々も、有ります。

 或いは、日本で版を起こした和刻本(佛典・國書を含む)ではありますが、1650年代以前の版本としては、

『古文眞寶前集』(室町期五山版)『古文眞寶後集』(江戸初期古活字本)、『新刊黄帝明堂灸經』(江戸初期古活字本)、『佛祖歴代通載』(慶長17年古活字本)、『白氏文集』(元和刊古活字本)、『群書治要』(江戸初期駿河版銅古活字本)、『賢首諸乘法教』(江戸初期本)、『四書註者考』(江戸初期本)、『論語集註』(江戸初期本)、『三國傳記』(江戸初期本)、『大學圖説』(寛永年間)、『護法資治論』(寛永4年本)、『倭漢朗詠集私註』(寛永6年本)、『楚辭』(寛永7年本)、『選擇傳弘決疑鈔』(寛永9年本)、『中庸抄』(寛永9年本)、『釋氏要覧』(寛永10年本)、『入學圖説』(寛永10年本)、『愚禿鈔』(寛永13年本)、『儀禮』(寛永13年本)、『四書蒙引』(寛永13年本)、『孔子家語』(寛永15年本)、『無量壽經優婆提舎願生偈註』(寛永17年本)、『往生要集』(寛永17年本)、『標類蒙求』(寛永20年本)、『真名伊勢物語』(寛永20年本)、『異端辨正』(寛永21年本)、『釋淨土群疑論』(寛永年間年本)、◎『曾我物語』(正保3年本)、『唐才子傳』(正保4年本)、『中庸集略』(正保4年本)、論語孟子或問(正保4年本)、延平李先生師弟子答問(正保4年本)、◎『千句獨唫之誹諧(正保4年本)、『淨土五會念佛略法事儀讃』(正保5年本)、『古今韻會小補』(正保5年本)、『剪燈新話句解』(慶安1年本)、『周易經傳』(慶安1年本)、『書經集註』(慶安2年本)、伊洛淵源録新増(慶安2年本)、『詩經集註』(慶安2年本)、『脩華嚴奥旨妄盡還源觀』(慶安3年本)、『禮記集説』(慶安3年本)、『白鹿洞學規』(慶安3年本)、◎『撰集抄』(慶安3年本)、『續世繼』(慶安3年本)、『楚辭』(慶安4年本)、『易經集説』(慶安4年本)、『伊勢太神宮參詣記』(慶安4年本)、『沙石集』(慶安5年本)、『遊仙窟』(慶安5年本)

等々五十一種を所蔵しています。

 亦た、同様に各個人文庫に於いても

『陸象山先生集要』(江戸初期)、『山谷詩集注』(寛永6)、『大廣u會玉篇』(寛永8)、『周禮』寛永13)、『儀禮』寛永13)、『増註唐賢絶句三體詩法』寛永14)、『杜律集解』寛永20)、『異端辨正』寛永21)、『孟子或問』正保4)、『延平李先生師弟子答問』正保4)、『伊洛淵源録新増』慶安2)、『神皇正統記』慶安2)、『論語或問』慶安3)、『佛法金湯』慶安5)・・以上【寒泉文庫】

職原抄(江戸初期)、『古今韻會擧要』(江戸初期)、『城西聯句』寛永8)、『明徳記寛永9)、『春窓聯偶巧對便蒙類編』寛永13)、『詩人玉屑』寛永16)、七書直解寛永20)、『山谷詩集』寛永21)、『古今韻會要小補』正保5)、選集抄』慶安3)、『有象列仙全傳』慶安3)・・以上【前川蔵書】

『老子鬳斎口義』寛永3、林羅山写本)、『老子鬳斎口義』寛永4、覆古活字本・・以上【高島蔵書】

『三體詩抄』寛永14)、『古事記』寛永21)、『先代事本紀』寛永21)、『平家物語12行本正保3)、『大和物語12行本慶安1)、『清少納言11行本慶安3)、『奥義抄』慶安5)・・以上【佐伯文庫】

々三十四種の漢籍・佛典・國書が有ります。

 更に言えば、些か時代が降り元禄頃の寫本と推測されますが、書誌學的に稀覯本に措定し得る

『奈良繪本うつほ物語』元禄年間寫

や、時代は江戸末に過ぎずとは雖も、流傳の少なさから稀覯本と言える、(安中藩主板倉勝明が、収集した書籍の中でも特に近世名家の寫本類の散逸を恐れて、逐次出版したもので、當時の貴重な資料を多數含んでいます。内容は、正篇5集と別篇2集とからなり、正篇は近世儒者の漢文随筆で構成され、別篇1集は和歌や和文で構成され、別篇2集は其の他10種8冊で構成されています。この叢書の傳本は極めて稀で、世上『甘雨亭叢書』として傳えられているものの殆どが、別篇2集を缺いた48冊本に過ぎず、叢書を集めて臺灣から出版された『叢書集成』續編にも、48冊本が採取されていると言う狀況で、『甘雨亭叢書』と言えば48冊本、と言う感無きにしも非ずで、完全な56册本は、殆ど見かけません)

『甘雨亭叢書(56册本弘化2年〜安政3年

等も有ります。

 尚、これ等の版本は、圖書館に閲覧請求の手續きさえすれば、教員・學生を問わず誰でも見る事が可能です。更には、見るだけでも樂しくなる様な色刷り(朱印本・紅印本・藍印本)・多色刷り(二色套印本・三色套印本・五色套印本)等々の版本も有りますので、版本を取り扱う作法や決まり事を學ぶ上からも、積極的に閲覧して書香を十分に味わって頂きたいと思います。

*上記◎印以外で、既にアーカイブス化されている1651〜1670間の作品としては、

『左大將家百家歌合』(承應1)、『大和物語之抄』(承應2)、『宇治拾遺物語』(萬治2)、『うつ不物語』(萬治3)、『四十八願取滴直談』(寛文3)、『徒然草文段抄』(寛文7)、『闕疑抄』(寛文8

等々が有ります。

   令和2年3月

識於黄虎洞

 

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