授業の概要

人間が集まれば社会が形成されます。その社会の秩序の最たるものが法です。よって、法と社会とは不可分の関係にあると言えるでしょう。法社会学とはこの不可分の関係を探求する学問です。ただ、現代社会の高度複雑な発展に伴い、法も複雑化し、法と社会の関係も複雑化してしまいました。そのことで、法の専門性や有用性が高まった反面、法が社会から切り離されてしまい、一般人には近寄りがたいものとなってしまいました。こうした近現代に発展した法秩序のありようを社会諸科学の知見を交えながら検討することが本講義の目的です。法社会学Bでは、特に、実定法原理の法社会学的分析と、法社会学理論を中心に扱います。本講義を受講することで、個別の実定法科目とは異なる視点から法を学ぶための視点、つまり法と社会に対する「より広い視野」と「より深い視線」を身につけたと実感できるようになるでしょう。

授業の到達目標

(1) 現代の様々な社会問題における法の役割について関心をもち、検討することができる。加えて、こうした問題について、この授業で学んだ知識を基礎に自分の考えを明確にすることができる。

(2) 今日の法秩序の基礎となる近代法モデルについて正しく理解し、説明できる。

(3) 法と関連する社会学的知見について関心をもち、検討することができる。または公務員志望者にとって必要となる社会学の知識に関心をもち、それらを説明できる。

授業の形態

教科書と配付資料にもとづく講義形式で行います。わかりやすく理解してもらうために、スクリーンに図解資料などを提示しながら進めます。またDB manabaやresponを活用した双方向型授業方式も取り入れ、アンケートへの回答や意見などについては、適宜フィードバックしていきます。試験については、実施後にDB manaba上で講評いたします。

授業外の学習

(1)DB manabaなどに掲載された次回分の講義資料や関連配付資料に目を通す。

(2)前回の講義内容について、あらかじめ配付資料に目を通して復習しておくこと。内容的に連続することが多いため、前回の講義内容を前提に講義が進むと考えてください。

(3)講義の内容について、講義資料や関連配付資料を確認して、授業で扱われた内容を自分で整理してみる。

(4)参考文献や講義時に紹介した文献を読む。毎日、新聞を読み、ニュースを見ること。法社会学は現実の社会のありようを前提とした学問です。社会を無視して法社会学は成立しないと考えてください。

教科書

特になし

毎回の講義資料は、授業日の1週間前をめどに、DB manaba上に掲載します。また、このページ上にも掲載します。

参考文献など

宮澤 節生、武蔵 勝宏、上石 圭一、大塚 浩  『ブリッジブック法システム入門〔第4版〕―法社会学的アプローチ』 (信山社、2018年)

碧海純一 『法と社会―新しい法学入門』 (中央公論新社、1967年)

和田仁孝・阿部昌樹・太田勝造編 『法と社会へのアプローチ』 (日本評論社、2004年)

村山眞維、濱野 亮 『法社会学 第3版 (有斐閣アルマ) 』(有斐閣、2019年)

その他講義時に適宜紹介します。

成績評価の方法・基準

筆記試験: 60%

平常点評価: 40% (出席調査による加点)

履修上の注意

(1)何らかの事情で欠席する場合には、事前・事後問わず申し出て下さい。出席調査にきちんと反映させます。

(2)講義中の私語は、他の受講生の迷惑になりますので、慎んで下さい。携帯電話の使用は禁止いたします。どうしても講義中に教室から退出しなければならない場合や、事情により遅刻した場合には、他の受講生の迷惑にならないよう注意してください。

連絡先・連絡方法など

E-mail: ykohno@ic.daito.ac.jp

メールで連絡をするときは、発信者が誰であるのかわかるようにしてください。

その他

毎回の講義資料や、授業で使用したスライドの図解資料・統計資料は、すべてDB manabaとこのページに掲載します。また、就活などで授業になかなか出席できない方のために、平常点評価については別途対応をいたしますので、遠慮なく申し出てください。