ギャラリー解説

古陶磁器

珊瑚紅地金彩開光山水文瓶(民國時代、AD1916〜1949)

高さ17.2cm、口径6cm、頸高8cm、腹径11cm、底径6.8cm

在銘、居仁堂製(赤色後付)

居仁堂とは袁世凱の堂名であるが、無論これは居仁堂

の本歌ではなく、民國時期の下手な倣居仁堂である。所

で、袁世凱の「洪憲」磁器に就いて一言附言しておく。洪

憲とは袁世凱が帝政を復活させた時の、1916年1月か

ら3月までの実質83日間の年号である。この時正式に

陶官として景徳鎭に派遣されたのは郭葆昌なる人物で、

明らかに彼が関与したと判断される底款銘は、青花方款

の「陶監督郭葆昌謹製」・赤色方款の「シ(角+單)齋」・

「シ(角+單)齋主人」・「郭五子」の四種類であり、これら

の在銘器は一応1916年作と認められるが、青花・赤色

・藍料の方款「居仁堂製」・「洪憲年製」・「洪憲御製」は、

その優品に限って1916年から1925年までの10年間

の品と措定している。しかし、それらは大半が瓶であり確

かに一見の価値有る優品であるが、残念なことに日本国

内では殆どお目にかかれず、小生も僅か1点を目睹した

に過ぎない。この様な状況は、何も「洪憲」磁器に限った

ことでは無く、「珠山八友」と称される民国時期の著名な

作家作品に就いても、ほぼ同様な傾向である。尚、「珠

山八友」に就いてはNO、338を参照されたし。


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