ギャラリー解説

古陶磁器

外銷瓷呉州手青花八開光向日葵雜寶文盤(萬暦年間、AD1573〜1620)

高さ3.1cm、口径20.6cm、底径11.1cm

景徳鎭民窯で製作された芙蓉手皿ではなく、俗に呉州手芙蓉皿と呼ば

れる地方窯の福建省ショウ(さんずい+章)州窯で焼かれた芙蓉手皿で

ある。景徳鎭ものに比べて、青花の色調がやや薄く、逆に器の厚さが若

干厚く、高台の周囲に多量の細砂が付着している等の点が、呉州手の

芙蓉皿であることを、良く現している。呉州は呉須とも表記して「ゴス」と

読み、桃山時代から江戸初期にかけてもたらされたショウ州窯の粗製

雑器に対する名称であるが、それは地名ではなく、主に青花(コバルト)

顔料を指した言葉である。この様な紋様の芙蓉手皿は、一般的に「外銷

瓷」と呼ばれ、海外への輸出を目的として生産されたもので、日本や欧

州などに遺品が多く残っている。尚、清朝の倣品はNO374を、現代倣

品はNO377を参照されたし。


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