ギャラリー解説

古陶磁器

金華(ブ州)窯青磁窯變澱青釉碗(南宋時代、AD1127〜1278)

高さ6.4cm、口径11.6cm、底径4.5cm

浙江省金華(ブ州)窯は、南朝時代から宋代にかけて青磁を

制作し、元代に至ると澱青釉製品を作り出す。実際北宋時代

の「青磁多嘴壺」等には、釉溜まりが澱青釉系の青白色を呈

しているものが認められる。本品は、形態的にはそれ以後の

南宋時代の物であり、高台も平高台であるが、元時代ほど明

白な澱青釉ではなく、かと言って北宋時代ほど青磁部分が多

くもない。恐らく本来は、澱青釉を作ろうとしたのであろうが、

燃焼温度の低さと釉薬の薄さとに因り、青磁の上に澱青釉が

霜降り状になってしまっている。正確に言えば澱青釉の失敗

作であるが、洒落て「青磁窯變澱青釉」と命名してみた。尚、

同形態の杯についてはNO1202を参照されたし。


[ギャラリー一覧へ戻る]