ギャラリー解説

書画

池庵佐々木玄龍、隷書一字・行書十字(江戸時代、AD1650〜1723)

紙本肉筆・・縦33cm、横51cm

「玄龍」の下に陰刻「煥父」の落款が押されている。佐々木池庵は加賀の人で、

名は玄龍、字は煥甫・煥父、号を池庵と称し、天和から享保にかけて来朝した

三回の朝鮮使節と唱酬したり、報答の台簡を書いたりして、書名を馳せた能書

家で、桐生山鳳仙寺の山額は彼の揮毫に係るのであり、また俳人宝井其角の

書の師としても、有名である。ただ江戸中期の大書家細井広沢の子細井九皐

は、彼の書を「朝鮮に伝わった趙子昂風の亜流に過ぎない(『墨道私言』)」と評

している。尚、同じく能書家として名を挙げ、高松藩に仕えた佐々木文山は、彼

の弟である。


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