ギャラリー解説

書画

滄浪秦鼎、行草書文・七絶(江戸時代、AD1761〜1831)

紙本肉筆・・縦110cm、横49cm

「秦鼎」の下に、陰刻「秦鼎之印」と陽刻「士鉉」の落款

が押されている。秦滄浪は美濃の人で、名は鼎、字は

士鉉、号を滄浪・小翁・夢仙などと称し、刈谷藩儒秦峨

眉の子で、初め家学を承けるが更に細井平洲に学び、

尾張藩校明倫堂教授となった儒者で、特に古書の校勘

を好み、彼が校した『春秋左氏伝校本』や『国語定本』な

どは、広く世に行われている。尚、本品は、「寄懐 大岡

栗齋」とあれば、滄浪が天保二年(1831)に71歳で死

去した後、僅か五年後の天保七年(1836)に38歳の

若さで夭折した、滄浪晩年の門弟で病気がちであった

大岡栗齋に想いを寄せた、滄浪晩年詩文である。


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