ギャラリー解説

書画

春嶽松平慶永、行書七絶(幕末維新、AD1828〜1890)

紙本肉筆・・縦24cm、横18cm

松平春嶽は江戸の人で、名は慶永、号を春嶽と称し、

徳川御三卿田安斉匡の八男で、福井藩主松平斉善の

嗣子となり、幕末の藩政改革に尽力した大名で、幕末

四賢侯(松平慶永・島津斉彬・伊達宗城・山内豊信)の

一人と称されている。「春嶽永未是草、中洲先生大人

請」と有る。これは、「未だ是さざるの草」であれば、春

嶽が三島中洲に自作の漢詩の添削を依頼したもので

あろう。詩文の結句に「明治二十三年」とあり、一方日

付が壬午元旦(明治十五年)とあり、一見矛盾している

様に見受けられるが、これは、明治天皇が皇太子と成

られた万延元年(1860)から数えて「明治の二十三年

間」と言うことであり、何ら壬午元旦と矛盾しない。実に

面白い資料である。


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