〜書局本〜

続編3

 清朝末期になると、局本とか書局本と呼ばれるものが出版される。これは大きな意味で言えば、官が出したものであれば官刊本と言えなくもないが、一般的には書局本と呼ぶ。同治年間に曾国藩が文化の提唱を目指して治山書局を設置するが、以後これに倣って各地に官立の書局が設置される。この書局で刊刻されたものが、所謂書局本なのである。しかし、所詮は地方のお上が行う仕事であれば、字体にしろ版式にしろ決して美しいものではなく、人に因っては好き嫌いが明白に分かれる本である。
 ここに提示する書局本は、上段が同治8年湖北崇文書局の陸徳明著『経典釈文』であり、下段が同じく同治13年湖北崇文書局重刊の鈕樹玉著『説文新附孝』である。尚、他の書局本についてはNO,62NO74を参照。

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