ギャラリー解説

古陶磁器

官窯(修内司)青磁陶片二種(南宋時代、AD1162〜1279)

南宋修内司官窯(杭州老虎洞・・1996年発見)の陶片二

種である。左側上段は灰緑色の氷裂貫入の入った青磁

の肩から首にかけての立ち上がり部分の陶片であり、下

段はしっとりとした青色青磁の口縁部分の陶片である。

右側の斷裂面を見れば一目瞭然であるが、修内司の特

徴である鉄分の強い褐色の薄い胎土上に厚めの釉薬が

かけてある。1mmの胎土上の釉薬は、外側が1mm、内

側が2mmの厚さであり、釉薬の尤も薄い口縁部分がこう

であるならば、見込み部分の釉薬の厚さは推して知るべ

しである。同じ南宋官窯でも郊壇下の方は、既に1956

年に窯址(杭州烏龍山)が発見され、ある程度は様相が

分かっていたが、修内司の方は長らく不明であった。そ

れがようやく1996年に窯址が発掘された。尚、郊壇下

の品についてはNO、460821を参照されたし。


[ギャラリー一覧へ戻る]