〜綉像(絵図)本〜

続編8

 綉像本とは、絵入り本のことである。では絵が付いていれば何でも綉像本かと言えば、必ずしもそうではない。例えば経書や思想書などにも絵入りの本が存在するが、これらは決して綉像本とは呼ばない。綉像本とは、主に小説類を対象にして、それに登場する人物やある場面等を絵にして、巻頭や本文中に差し入れたものに対する呼称である。尚、元朝のものに関しては、一般的に「全相本」と呼んでおり、綉像本の名は『綉像本金瓶梅』の如く明代から使われ出すが、一般化したのは清朝末からであり、当時の大衆小説の多くが、綉像本何々とか絵図本何々とか称している。
  ここに提示する綉像本は、清末から民国時期にかけての小説類である、『綉像金玉縁』と『繪圖粉粧樓全傳』とである。尚、他の綉像本については、NO38NO39NO42を参照。

[目次に戻る]