〜插(帶)圖〜

駄言15

  插圖とは、明清時代の主に小説類(無論学術的な書籍にも付載されてはいるが、その主要なものと言う意味で)を中心に、話の内容や展開を版画に彫り文中に付載されたものを指す。元代では「全相何々」と言い、明清時代は「繪圖何々」「綉像何々」「増像何々」等と称し、その呼称一様ではなく多様であるが、要は文章の内容を視覚的且つ補助的に説明するための版画であり、それが文中に差し挟まれているため插圖と称し、插圖を伴う仕立ての書籍を一般的に「插(帶)圖本何々」と総称するのである。
 ここに提示する插圖は、特殊なものではなく、誰でも知っている明代四大奇書(『三國志演義』『水滸傳』『西遊記』『金瓶梅』)の中から、『水滸傳』と『金瓶梅』とに差し挟まれている插圖を採取したが、上段が萬暦45年刊崇禎補修本『金瓶梅詞話』中の圖であり、下段が萬暦刊本『忠義水滸傳』中の圖である。尚その他の插(帶)圖に関しては、NO27NO38NO39NO42を参照。

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