ギャラリー解説

書画

千溪藤波鍬次郎、行書五絶(近代、AD1830〜1901)

紙本肉筆・・縦132cm、横32cm

「千溪居士鍬」の下に、陰刻「藤鍬私印」と陽刻「寶

宋齋主」の落款が押されている。藤波千溪は兵庫の

人で、名は鍬次郎、号を千溪と称し、明治時代に岡

山地方裁判所裁判官等を務めた司法官であるが、

漢詩人として有名で、大正四年(1915)に『宝宋斎

詩抄』を公刊し、大正八年(1919)の長尾雨山編『

丁巳寿蘇録』に、漢詩を寄せている。この本は、当

時の関西文人交流の寿蘇之会の記録であるが、参

加者は、高野竹隠磯野秋渚長尾雨山内藤湖南

山本竟山狩野君山・木内東洋・富岡鉄斎・羅雪堂

・籾山衣洲ら漢学者・漢詩人・書家等錚々たるメン

バーであるが、千溪の生卒等詳細は不明である。


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