〜四書類〜

零話16

  四書とは、『論語』『孟子』『大学』『中庸』の四種類の書籍を一括した名称である。元来『大学』と『中庸』とは『礼記』の中の各篇に過ぎなかったのであるが、南宋に至り朱熹が朱子学(宋学)を確立させ、道統(学統)を重んじてこの四種類の書籍に註を付けて解釈(『四書集註』)してから一躍重視されだし、元に至って科挙に朱子学が採用されると、四書に関する注釈はいよいよ拍車を増し、『某某四書』とか『四書某某』なる本が陸続として作られ出し、清朝に至ってはその数を枚挙するに暇が無い程である。この事は我が国に於ても、朱子学が江戸時代の御用学となった事に因りほぼ同様の傾向を示し、当時の漢学者は四書に関する注釈書を多く作っている。
   
 ここに提示する四書関係の書は、左側が清朝の李二曲撰『四書反身録』(李二曲先生全集本)であり、右側が光緒9年刊の徐紹撰『四書質疑』である。尚、四書に拘わる版本に関しては、NO5NO16NO17NO25NO28を参照。

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