担当科目 大学

チュートリアル

 国際関係学部における学生生活の全体像を把握すると同時に,高校での授業と大学での講義との掛け橋になるような,基礎的な学習の方法や技術を学ぶ。大学の専門講義では,特定の教科書のない場合も多く,また,レポート課題の提出や,資料収集や調査に基づいて研究発表や討論を行うなどの自主的な学習が求められる。そこで,「読む・聞く・書く・話す」ための基本的な能力の向上に重点を置き,14人程度の少人数制で,学生一人一人に対して,適切な学習の方法をきめ細かくアドバイスし,個別指導や相談に応じる。

アジア概論B

 本講義の目標は、アジア(学)入門の一環として、わたしたちが他のアジア諸国・地域とどのように向き合ってゆけばよいのかを考えることにある。いずれ、皆さんの多くは、現地研修や留学、あるいは卒業後仕事の関連で草の根レベルでアジアと向き合うことになる。

 本年度は複数の教員がオムニバス形式で講義を行う。主題は、「わたしとアジアとの関わり」である。研究者生活者として、どのようにアジアと関わってきたのかを、数々の失敗談を含め具体的に講議してもらう。映像資料も活用する予定である。

南アジア地域研究5(南アジアの社会と暮らしA)

 本講義の目標は、南アジアとりわけインド社会の基本的構造を社会学および隣接科学の成果に基づき、わかりやすく解説することにある。インド社会は「多様性のなかの統一」と表現されるように、分離(遠心力)と統合(求心力)の諸力の均衡のうえに成り立ってきた。ただし、均衡のありようは時代とともに大きく変化している。本講義では、インドの社会構造が植民地期以降どのような変遷をとげてきたのかを、基層文化、宗教、階級、カースト、地域主義および制度改革を中心に講義する。

南アジア地域研究6(南アジアの社会と暮らしB)

 本講義の目標は、南アジアとりわけインドの社会構造の変動を社会学および隣接科学の成果に基づき、わかりやすく解説することにある。インド社会は植民地期以降の開発政策のなかで大きく変貌した。大規模な開発は地域の社会構造を変動させ、環境に多大な負荷を与えた。森林の劣化や、河川や大気の汚染が深刻化し、環境に配慮した持続的発展が摸索されている。本講義では、岐路に立つインド社会を「開発と環境」を切口として講義する。

国際関係各論3(アジア人口論A)

 本講義の目的は人口の国際移動を理論と実態の双方から把握することにある。人口の国際移動すなわち国境を越えての移動には諸種の形態がある。本講義では大航海時代以降の国際労働力移動に焦点を合わせ、世界の政治経済構造が労働力移動の規模と形態をどのように規定してきたのか、またそれが時代とともにどのように変遷してきたのかを講義する。

演習 I

 本演習の目的は、身近なテーマを題材として、われわれと社会との繋がりを理解し、自らの生き方を考えることにある。今回は、家族をテーマとする。家族の形や役割は、時代とともに大きく変化しているが、家族はいまでももっとも重要な社会構成の基礎単位をなしている。

 前期の演習では、日本における家族の実態とその変動について指定図書を輪読しながら学習する。ゼミ生の社会科学的な理解力を高めることが目的である。後期にはゼミ生に各自の (1) 「家族史」 (父方母方3世代ほどか (2) 「自分史」 のいずれかを選択してもらい、それについての報告を中心にゼミを運営する。私的な事柄が多々含まれているので、話せる範囲の報告でかまわない。家族を身近なテーマだと実感してもらうのが目的である。

演習 II

 本演習では、日本を含むアジアの家族について学習する。アジア各地の家族形態や家族制度が近年どのように変化しているのか、その変化はアジア諸国の社会経済状況や価値観の変化とどのように関わっているのかを具体的に検討したい。

 前期の演習では、アジアにおける家族の実態とその変動について指定図書を輪読しながら学習する。ゼミ生の社会科学的な理解力を高めることが目的である。後期にはゼミ生に「アジア諸国の家族(できれば履修した地域言語の国)」を調べてもらい、それについての報告を中心にゼミを運営する。アジア諸国の家族について理解を深めるために、映画などの映像資料も活用する。家族を切口に、アジア諸国間における社会変動の共通点と相違点についての認識を深めたい。

卒論演習

 卒論は大学生活の集大成である。大学生活のなかで培った問題意識、方法論、表現力が試される。どんなテーマであれ、掘り下げれば面白い。テーマに深く踏み込むほど、自分の価値観が鮮明に見えてくる。書く作業は苦しいだけに、峠をこえた後には格別の充実感がある。せっかくの機会なので、自らの問題意識、方法論、表現力を鍛え直せるように指導したい。卒論作成に真摯に取り組む用意のある学生を歓迎する。