担当科目 大学院 博士前期課程

南アジア経済開発研究2(4単位)

[授業の概要]本授業では、ノーベル経済学賞を受賞したアマルティア・センの主著のひとつである「貧困と飢饉」を読む。これは南アジアをはじめとする開発途上国全般における開発と貧困とのかかわりを理解するのに最適の教材のひとつである。開発と貧困にかかわる概念と実態の双方を学ぶことができる。社会学や文化人類学の学徒にとっても有益な教材である。講義は輪読形式で進める。
[教科書]アマルティア・セン著(黒崎卓、山崎幸治訳)「貧困と飢饉」岩波書店、2000年。Amartya Sen, Poverty and Famines: An Essay on Entitlement and Deprivation, (Clarendon Press, 1982)

南アジア地域演習(連年8単位)

[授業の概要]本演習のねらいは、開発途上国とりわけ南アジアにおける開発が環境や貧困とどのようにかかわっているのかを最新の研究成果に依拠して学習することにある。教材として、南アジアの環境研究に大きく貢献したN.S.Jodhaの英文主著を使用する。必要箇所をコピーして受講生に配付する。副教材として、若干の邦文刊行物を使用する。演習は基本的に輪読形式で進めるが、途中何度か受講生の個別研究テーマについて報告してもらう。
[教科書]N.S.Jodha, Life on the Edge: Sustaining Agriculture and Community Resources in Fragile Environments,(Oxford University Press, 2001).

担当科目 大学院 博士後期課程

伝統社会研究演習I(4単位)

[授業の概要]南アジア諸国における植民地期以降の社会変動は伝統社会規範の再生をバネに進行している。諸種の制度変革や近代化の動きが南アジアの社会構造をどのように再編したのかを、カースト/階級の動向を中心に考察する。本演習では南アジアの社会規範に関連する文献史資料のサーベイと整理を行った後、院生が論文作成に使用する原資料の絞り込みとそれらの解読や分析のための方法論を指導する。また、フィールドワークや留学準備がスムースに進むよう指導する。

伝統社会研究演習II(4単位)

[授業の概要]南アジア諸国における伝統社会規範の再生は、ヒンドゥー原理主義の突出や少数民族の分離独立の動きなど従来の国民統合論の枠組みでは捉えきれない新たな動きをもたらしている。時代の流れに即した国民統合の課題を近代化、制度変革、伝統社会規範の再生、の相互関係を軸に考察するのが本演習の目的である。フィールドワークや留学の実施を前提に、院生が個別研究テーマをできるだけ深めることのできるよう実践的な指導を行う。

伝統社会研究論文作成指導(4単位)

[授業の概要]論文作成指導では、資料の収集、整理、読解、分析の進捗状況を確認しながら、博士論文作成に向けて実質的な指導を行う。