3つの質問

Q1 : 先生が研究なさっていることを、分かりやすく説明してください。

A1 : いま、ふたつのテーマに取組んでいます。ひとつは「インドの家畜調査」です。1980年代前半から現在にいたる22年間、インド西部の調査村で家畜調査を実施しています。この間、何度も世帯調査を行ったので、村人全員と顔見知りになりました。当初わたしの調査を助けてくれた老人の多くは他界し、幼かった子供達が現在は世帯主としてわたしに対応してくれています。村人との交流はインドとわたしを繋ぐもっとも重要な架橋のひとつになっているので、意義のある分析にしたいと願っています。もうひとつは、「日本の馬政調査」です。以前より日本のことも研究したいとおもってきましたが、取っ掛かりがつかめませんでした。縁があり、日本の馬政が戦前から戦後にかけてどのように変動したかの研究を開始することができました。当面はインドの牛と日本の馬を切口として両国の社会変動について研究するつもりです。

Q2 : 先生の担当されている授業やゼミについて、紹介してください。

A2 : 授業では「南アジアの社会」「アジア人口論」などを担当しています。インドには留学期間を含め都合10年間ほど滞在したことがあります。また、若い頃、アジア各地を「貧乏旅行」したことがあるので、その経験を授業でいかすようにしています。「南アジアの社会」の前期授業では、インド社会の基本構造について、後期にはインドの開発と環境変動について講義しています。「アジア人口論」ではアジア各地の国際人口移動のパターンが19世紀以降どのように変化したのかを講義しています。演習では「家族」をテーマとし、ゼミ生に各自の「家族史」を調べてもらっています。自分は一体どこから来たのか、また何をなすべきなのかを、家族の歴史から学んでもらうためです。日本の近代史を振り返るよい機会にもなっています。本年度からは「郷土史」についても調べてもらう予定です。

Q3 : 研究や教育のほかに、何か打ち込んでいることはありますか。

A3 : 特別な趣味はありませんが、二輪車を駆ってあちらこちらを気ままに巡るのが好きです。えもいわれぬ解放感があります。学生時代から二輪車を愛用してきました。あまり遠出はせず、日帰りできる範囲を回ってきました。今でも家に原付きを置き、時折、秩父の山道に出かけています。インドの拠点で調査を行う時にはスクーターで移動しています。15年前に購入したバジャージを現在も愛用しています。燃費は極端に悪く、満身創痍の状態ですが、だましだまし使っています。時々故障するのが愛らしく、わたしにとって無二の親友のような存在です。

アジアミックス料理祭にて

「アジアミックス料理祭にて」