講義内容

 本学で担当している講座は、南アジアの近現代史、南アジアの芸術、アジア芸術論などである。私の方法は、様々な形態の資料、文字化されているものばかりでなく、図像、映像、音も史料批判の対象とするものである。担当講座に出席する学生は、五感を総動員する集中力を日頃から鍛えておいてほしい。また、物事を一面的に決めつけず、少しずらして異なった側面から捉える努力をしてほしい。それが、現代社会においてアジアを考える際の発想の基本だと考えている。


南アジアの地域研究 7 (南アジア近現代史A) 

 南アジアの歴史叙述は1990年代以降、大きく書き換えられつつある。印パ対立など激動の現代南アジア社会の諸問題をふまえた上で、カーストや宗教などインド社会の問題点について、特にイギリスのインド認識とのかかわりに焦点をあてながら歴史的な視点から論じ、ムガル帝国の興亡からイギリス東インド会社のインド進出、英領インド帝国の成立までについて講義する。

南アジアの地域研究 8 (南アジア近現代史B) 

 印パ対立、宗教、カーストなど、今日の激動する南アジア社会の抱える諸問題の原因は、イギリスの植民地支配にあるといっても過言ではない。これらの問題をふまえた上で、英領インド帝国の成立から印パ分離独立までの歴史について、民族運動の展開に焦点をあてながら講義し、イギリス支配の意味とその影響について考える。また、英領期に展開したイスラームやヒンドゥーの宗教社会改革、女性の地位向上、南インドのドラヴィダ運動をはじめとする反バラモン運動などの社会改革運動にも、個別のトピックとして言及する。

南アジアの地域研究 11 (南アジアの芸能A) 

 南アジアは多様な音楽や舞踊の宝庫であり、アジアのなかでも、いち早く欧米諸国からの注目を集めてきた。この講義では、特に「古典」といわれる伝統的な音楽と舞踊をとりあげ、その特徴を明らかにすると共に、社会生活や宗教など南アジアの文化全般と関連づけながら考察していく。また、毎回、ビデオ鑑賞をし、実際の楽器や演奏にふれたりする機会をもうけて、実践的な授業を行う。

南アジアの地域研究 12 (南アジアの芸能B) 

 インドは世界有数の映画大国である。インド映画がミュージカル仕立てなのは、歌や踊りでつづられる伝統的な演劇の様式から発達したものだからである。また、インド映画はポピュラー音楽のヒットを生み出すメディアでもある。この講義では、伝統演劇、インド映画、ポピュラー音楽のほかに、民衆の生活や宗教に密着した民俗芸能もとりあげる。毎回ビデオ鑑賞を通じて、実践的な授業を行う。また、映画・音楽産業にもふれる。


比較文化特殊講義(アジアの身体パフォーマンス)

 韓国、中国、インドネシア、インド、アラブの各地域の舞踊を専門とする、現在、国内外で活躍中の舞踊家の方々を、毎週講師としてお招きし、アジアの身体とパフォーマンスの特徴について、実際に身体を動かしながら考える。授業はワークショップ形式で、招聘講師による各地域の舞踊の解説、舞踊に用いられる身体運動のデモンストレーションに加え、実際に各舞踊の基本動作を習得し、身体を通じてアジアの舞踊に対する理解を深めることを目的とする。また、学期末には、アジアのさまざまな舞踊を取り入れた創作(グループ実技)にも挑戦する。

 
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