現地研修報告 エジプト(2000年度) 1/4

1.はじめに

 2000年度のエジプト現地研修には引率教員1名と17名(男子6名、女子11名)の学生が参加した。研修期間は2000年9月13日から10月11日までの28日間であった。うち、9月16日から10月1日までの16日間、アレキサンドリアの提携校で語学研修に参加した。語学研修修了後、シナイ半島とカイロ、およびその近郊の遺跡などを見学した。当初、下痢や風邪など体調をくずす学生もでたが、徐々にエジプトの気候・食事・風土に慣れ、全員無事に帰国した。提携校での語学研修は非常に効果的であり、留学を希望する学生もでている。総じて、エジプトの人々との交流から学生が学んだことは多く、現地研修により学生の勉学意欲は増進した。

シナイ山登頂往路

「シナイ山登頂往路」

2.提携校での現地研修

(1)提携校の受入れ体制
 提携機関であるアレキサンドリア大学のTAFLセンター(Centre for Teaching Arabic as a Foreign Language)は外国人に対してアラビア語を教える教育機関であり、外国人の受け入れに慣れている。イギリスからは定期的に留学生が訪れており、語学研修の面だけではなく、宿の斡旋やその他のサポート体制も整っている。今回もイギリスからの留学生が20名ほど語学研修を受けていた。

 TAFLセンターは文学部の附置機関なので、組織図の面では学長や文学部長がセンター所長の上位にあるが、センターの運営はセンター所長のR氏の所管である。R氏は国際関係学部の招きで訪日されたこともあり、大の親日家である。多忙にもかかわらず、親身に学生のことをいろいろと気遣ってくれた。

 研修計画全般にわたる事務的日常的業務の窓口として対応してくれたのは、TAFLセンターのコース・ディレクターのM氏である。語学授業にかかわるカリキュラムの設定・変更、語学教員の手配、軽食の準備、会計業務など本学研修隊にかかわるすべての実務的な業務をすべて引き受けてくれた。職名はコース・ディレクターであるが、実質的には事務局長である。今回の研修プランはまずM氏と詰め、それをR氏に承認してもらう手順で確定させた。

 提携校の受入れ体制はしっかりとしており、計画したことはすべて実行できた。センター内での指揮系統も明確であり、担当者が確実に役割を果たしてくれた。これまでインド、パキスタン、インドネシアに学生を引率したが、エジプトでの受入れ体制がもっとも確実かつ機能的であるとの印象をもった。

TAFLセンターでの語学研修

「TAFLセンターでの語学研修」

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