現地研修報告 エジプト(2000年度) 2/4

2.提携校での現地研修

(2)語学研修
 今回の提携校での語学・講議の研修時間はのべ48時間であった。うち、4時間を「イスラーム文化」、「エジプトの女性」、「エジプトの歴史」、「カリグラフィ」の講義にあてた。学生にエジプトの社会と文化についての知識を深めてもらうためである。語学の授業は44時間設定した。

 研修効果を高めるために、学生を無作為に2つのクラスに分けた(8名と9名)。授業時間は1限を9:30〜10:30、休憩時間をはさんで2限を10:30〜11:30、その後約30分間の軽食の時間をとり、3限を12:00〜13:00、若干の休憩時間をはさんで、4限を13:00〜14:00に設定した。1回60分授業なので、1日4限構成も学生には苦にならなかったようである。

 昨年同様、今回も正則アラビア語とエジプト方言の双方の語学授業を実施してもらった。語学授業時間の7割を正則アラビア語に、3割をエジプト方言の授業にあててもらった。正則アラビア語用とエジプト方言用のしっかりとしたテキストに沿い授業が進められたので、クラスにより進度に多少の差はあったけれども、授業に対する学生の評判はたいへんよかった。語学教員はベテランと若手がうまく組み合わせられていた。教員はみな責任感と改善意欲に富み、充実した授業となった。

ピラミッド見学

「ピラミッド見学」

 大東文化大学の「アラビア語」の授業では正則アラビア語のみを教授しているために、学生はエジプト方言(エジプトでの口語)をまったく知らないまま、語学研修に参加することになる。エジプト方言は正則アラビア語と文法・語彙の面でかなり異なっているために、口語の学習は一からのスタートとなる。蓄積が乏しいために、どうしても会話に遅れをとってしまう。いずれ検討すべき課題である。

 語学研修効果を確認するために、今回語学試験を実施することになった。R氏とM氏も試験の実施に積極的であった。TAFLセンターはこれまでイギリスからの留学生を主に受入れてきたので、彼らに対する教授法については蓄積があるが、日本人学生についてはまだ実験的な段階である。試験を実施することにより、教授内容や教授法の問題点と課題が明確になるのではないかとの期待があった。また、日本人学生にとっても自分の弱点と課題を認識するため役立つものと考えられた。こうして、9月30日の午後に正則アラビア語とエジプト方言の双方の語学試験を実施した(前者70点、後者30点、計100点の問題)。試験終了後すぐに担当語学教員が採点と分析を行い、その結果をわたしに伝えてくれた。答案用紙も一式わたしのほうに回ってきた。本学部におけるアラビア語の専任教員にこれらの資料を渡す予定である。

アレキサンドリアの夕日を背景に

「アレキサンドリアの夕日を背景に」

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