現地研修報告 ベトナム(2003年度) 2/6

3.提携校での現地研修

(1)提携校の受け入れ体制
 提携校のハノイ国家大学は、ベトナム有数の名門校であり、卒業生はベトナム各界で活躍している。世界各地からベトナム語の研修生や留学生を迎えている。日本からも現在、20名をこえる留学生が在籍しているとのことである。同大学の国際交流課が、研修生や留学生の受け入れ窓口として機能している。国際交流課の所長のT氏は著明なベトナム語の研究家でもある。副所長のL氏は多忙ななか、こちら側からの相談に快く応じてくれた。学長秘書と国際交流課員を兼任するA氏が実質的なコーディネーターとして、現地研修プログラムの調整を行った。彼は訪日した経験があり、日本語を流暢に話す。以上の3名は英語あるいは日本語を話すので、意思疎通をはかるうえで、まったく支障はなかった。

 多数の研修生や留学生を迎え入れていることに加え、過去数年間の本学部の引率教員が大東文化大学の現地研修プログラムを先方ときちんと詰めておいてくれたので、受け入れ体制はしっかりとしており、計画したことはすべて実行できた。さらに、こちらの要望も快く聞き入れ、柔軟に対応してもらえた。送迎用ミニバスの手配もきちんと行われた。国際交流課内の指揮系統も明確であり、担当者が確実に役割を果たしてくれたので、安心して現地研修に専心することができた。

(2)語学研修
 昨年よりも2日間ハノイ滞在が増えたことを受け、当初、本年度は14日間で計28回のベトナム語の授業を行うことにしていたが、研修開始後に学生から午前中しか開いていないホーチミン廟を是非見学したいとの要望が上がってきたので、先方と協議のうえ、授業日数を1日削ることにした。その結果、13日間で計26回の授業を行った。

 参加学生数は8名と少なかったので、クラス分けは行わなかった。授業時間数について、当初、先方から1日当たり3時間ではどうかとの提案もあったが、高温多湿な気候のなか、学生の集中力にも限界があるので、昨年同様に1日2時間とした。1時間目は午前9時から9時50分まで、10分間の休憩をはさみ、2時間目は10時から10時50分までと設定した。授業は昨年度と異なり、東洋学部のある本校で行われたので、先方の手配するミニバスで宿舎と校舎間を往復した。片道の所要時間は15分ほどであった。行きは8時30分に宿舎のA2を出発、授業後、宿舎には11時30分頃に到着した。

 ハノイ滞在中、2名の学生が体調をくずし、各々恢復するまでの数日間、授業を休んだが、残りの6名の学生達はすべての授業に出席した。

 ベトナム語科の2名の教員がベトナム語の授業を担当した。うち、D氏は日本語で、N氏は英語で講議を行った。使用テキストは国際交流課所長のT氏が執筆したベトナム語の標準的な文法書で、授業は初級文法の解説が中心となった。参加学生にとって、これまで日本で学習してきた基礎文法を現地で復習する良い機会となったが、会話文や発音・イントネーションを重点的に教えてほしかったという声も一部の学生からあがった。来年度の授業については、こちらの要望を事前に先方に伝えておいたほうがよい。

提携校の先生方と

「提携校の先生方と」

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