現地研修報告 パキスタン(2009年度) 6/7

8.研修費用

 本年度は28泊29日の旅程となった。参加した学生数は昨年より3名少ない5名であったが、提携校への研修費は昨年と同様に、授業料は8万ルピー(1回2000ルピー×40回)、雑費は1万5000ルピーを支払った(1ルピーは約1.2円)。一人当たりの授業料負担は昨年よりも若干増えたが、宿泊料が1部屋当たり一泊2000ルピーときわめて安かったため、現地研修費の総額は、JTBへの支払い(航空券、ラワルピンディーでの宿泊料、国内移動費)を含めても一人当たり30万円をこえておらず、比較的安く現地研修を実施することができた。

9.事前、事後研修

 事前研修では、国際関係学部が作成したウルドゥー語のテキストを使用し、ウルドゥー語の事前学習を行った。現地研修での実際の授業では残念ながら、本学部が作成したテキストは使用されなかったが、事前の会話練習として役だったものとおもう。また、事前研修では、現地での学生交流に備え、日本および大東文化大学におけるキャンパスライフの紹介をパワーポイントで作成した。現地において、この紹介資料を披露する機会は今回はなかったが、現地学生との交流の際の話題として活用できた。
 事後研修は、レポートの作成(パキスタンに関するテーマで、分量は8000字)を中心に進める予定である。

10.現地研修の総括と課題

 今回の研修では学生の安全確保を最優先にして行動計画をたてた。現地の日本大使館、JICA事務所、提携校の研修受け入れ担当教員、宿の管理者、現地旅行業者と密に連絡をとりあいながら、日々の行動計画の確認や見直しを行った。各方面からの協力があり、全員無事に研修を終えることができた。
 ただし、来年度の現地研修については、パキスタンの現在の情勢があまりに不安定なために、パキスタンで現地研修を行うかどうかについては慎重に検討する必要がある。パキスタンの状況はアフガニスタンの状況とも連動していることを考慮すると、短期間での状況改善はきわめて困難だとおもわれる。状況が好転するまでの期間、たとえばインドなどの代替地でウルドゥー語の語学研修を行うのがよいだろう。
 学生達は今回の研修から、ウルドゥー語はもちろんのこと、体調管理、ストレス管理、自己表現法、多様な文化・価値観の尊重、など多くのことを学んだ。今回の現地研修を契機に、参加学生のパキスタンやウルドゥー語への関心がさらに深まることを願っている。

<Back− +Next>